上棟の時などに家を建てるのに使用する木材が濡れても問題無いの?
湿気によって腐ったりしない?
この記事はこんな人にオススメ!
この記事を読むと分かること
一条工務店の家づくりで使用されている木材の話
工事中の雨の影響って?
工事中の雨って嫌ですよね…
家を建てる時に雨が降っていると構造用木材が雨に打たれて、水が木材に染み込んで建てた後で腐ったりしないか心配ですよね。
上棟日は原則雨が降らないタイミング(雷や風があると危険なため)を狙って行われますが、それでも不測の事態が発生することもあります。
今回の記事では一条工務店で使用している木材の話+もし雨が降った場合に木材にどのような影響があるのかについて説明します。
使用している木材
結論から言うと、一条工務店で使用している木材が雨に濡れることによる影響はほぼありません。
一条工務店は住宅に使用する木材に特殊な加工を施しているため雨に非常に強い木材と言えます。
基本的に木材は水に強いという特徴を持ちます。
その上で家づくりに使用する木材へ防腐加工などの処理を行っているため、雨の水による影響はほとんど無いと言ってもいいです。
でも、本当に大丈夫なの?
どの程度水に強い木を使っているの?
一条工務店が家づくりで使用している木材には3つの特徴があります。
特徴① 乾燥材の使用
【木材は乾燥させてから使用する】というのは家づくりのみではなく、モノづくりにおける原則です。
一度乾燥させた木材は雨などの外部からの水では木材の芯まで濡れることはありません。
また乾燥をしっかりと行った木材ほど曲げや割れに強い木材となり、建築後のねじれや歪みの心配が少なくなります。
木材の乾燥の基準は【含水率】と呼ばれる指標で管理されています。
含水率の値が規定を満たさない木材は使用されないので安心してください。
含水率の規定ってどの程度なの?
含水率の規定の話をする上ではJAS規格について知る必要があります。
一条工務店でもJAS規格に適合するようにアイスマートなどの2×4工法(枠組壁工法)の場合は含水率が19%以下の乾燥材を使用しています。
一般的な杉の未乾燥材は含水率が80%程度あるといわれています。
乾燥の過程を経ることで含水率を20%以下に抑えます。
含水率が20%以下の乾燥材は伐採後の未乾燥材と比較して2割程度強度が上がるといわれています。
含水率は『木材水分計』と呼ばれるポータブル機器で自分自身で測定を行うことができます。
測るタイミングによっては含水率が高く表示されることがあるため、あまりオススメはしません。
参考程度に測るのはありだと思います。
特徴② JAS認定の構造用合板の使用
合板…丸太をかつら剥きにした薄い板を接着剤で貼り合せた板
構造用合板…建物の構造上、重要な部分に使用する合板
一条工務店の構造用合板はベニヤ板の向きを交互に接着しています。合板の厚さは12mmあります。
※JAS規格では構造用合板の厚さ9mm、12mm、15mmが主流
合板の品質は9つに分類され、アルファベット2文字によって表示されています。
また、規定される強度試験の種類によって1級と2級があります。
さらに接着剤の等級によって特類と1類があります。
一条工務店の住宅の外壁や床に使用される構造用合板にはJAS規格の認定を受けた合板を使用しています。
JAS規格の認定を受けた構造用合板の中でも一条工務店は【特類】という認定を受けた構造用合板を使用しています。
ここでいう【特類】は接着剤の等級のことを指します。
特類の構造用合板は水に強い接着剤で貼り合せてあるため、水に触れる環境下でも合板の剥離が起きにくいというメリットがあります。
構造用合板のJASマークについて
構造用合板についてより詳しく知るためにはJASマークについて知っておく必要があります。
JASマークには構造用合板の性能や等級など全ての情報が記載されています。
・特類:常時湿潤状態における接着耐久性が確保されていること
・1類:通常の状態における接着耐久性が確保されていること
1類は特類と比較して耐水性能は落ちます。
1類の構造用合板は防水紙等で防水処理を施した外壁・屋根、間仕切壁、床の下地板に用います。
特類の構造用合板は外壁や屋根の下地材に用いられることが多いです。
構造用合板の剥離が起きた場合、住宅全体の【耐力の低下】につながり、剥離した合板の壁は耐力壁としての役割を果たさなくなる可能性があります。
※耐震性能が低下する可能性がある
一条工務店の構造用合板は特類の接着剤を使用しているため、水にさらされても剥離が起きにくい特徴があります。
また、一条工務店の構造用合板はホルムアルデヒド放散量についても最上位等級のF☆☆☆☆を使用しています。
こちらについては別記事で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
特徴③ 防腐防蟻処理
家づくりの土台や柱に使われる木材には高性能で安全性の高い薬液(ACQ)の加圧注入処理を施しています。
それによって木材が腐りにくくなり、高い防蟻性能を発揮します。
一条工務店は実験を通して木材の性能を確認しています。
乾燥木材の再乾燥実証実験
散水直後 | 24時間後 | |
---|---|---|
木材表面の含水率 | 39% | 18% |
木材内部の含水率 | 20% | 18% |
結果的には散水後24時間後には木材表面・内部どちらとも含水率は18%まで下がることを実験で確認しています。
この結果より乾燥木材の内部には水分はほとんど浸透せず木材表面に留まり、表面付近に留まった水分も1日で乾燥することが分かりました。
この実験から雨が降ってもしっかりと木材を乾燥させれば問題なく使えるということが分かります。
【まとめ】一条工務店が使用している木材
一条工務店は水に強い構造用合板を使用していたり、柱には薬液を注入することで防蟻性能の高い柱に加工したりと、水や腐れの影響を受けにくいように企業努力をしています。
しかし、施主である私達自身はいくら水に強い木材を使用していようが、上棟時や工事時に雨が降るのは避けたいのが本音。
技術的にどれだけ水に強いとはいってもやはり不安が残ります。
しかし、タイミングによっては雨や雪は避けられないのも事実です。
雨によって構造用合板が剥離してしまったケースもインターネット上で拝見したことがあります(もちろんその合板は新品に交換されています)。
雨や雪によって住宅に変化が起きていなければ特に対応が必要であるとは思いませんが、もし構造用合板の剥離であったり、基礎の下に水たまりができている場合には対応が必要です。
今回の記事では一条工務店で使用している木材がどの程度水に強いかを書きましたが、あくまで技術的な面を取り上げたのみです。
雨が降った後に重要視されるのは【一条工務店が水に強い木材を使用している】という事実ではなく、【雨が降った後にどのような現象が住宅に起きて、どのような対応を行った】のかです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
一条工務店について他にもいろいろ紹介しているので、参考にしてみてください。
コメント
[…] 特類についての詳細は下記記事を参考にしてみてください。参考:雨に濡れても大丈夫?一条工務店が使用している木材について […]